人間が変わる方法は3つしかない。
①時間配分を変えること。
②住む場所を変えること。
③付き合う人を変えること。
どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的。
最初の一歩はひとつの整理棚をつくることである。私が学生に対し指導しているのは、毎日土曜日に3時間ほど時間をつくり、自分が関心のあることについてGoogleでネットサーフィンすること。3時間サーフィンしただけでは時間の無駄だが、その結果を、つまり「要はどういうことなんだ」と「それなら私はこう考える」をレポートにまとめる。面白い写真やデータを見つけたら、それもレポートに添付する。こうして作ったレポートが最初の棚になる。
私は、人生は仕事だけじゃないと思っている。オフロードバイクも、スノーモービルも、ダイビングも楽しみたいから、週末まで仕事を引きずらないようなやり方をしている。仕事漬けになるのが嫌なら、先に趣味やレジャーの予定をスケジュールに入れて段取りを組めばいい。
仕事のスピードを上げるためには、関わる人がいかに無駄なく効率よく働ける状態をつくってあげられるかが、じつは重要なポイントなんだ。
チームの無駄な時間を省くには、その仕事のリーダーが、あらかじめ全員にでき上がりの具体的なイメージを伝えておくことだ。そうすれば、まるで的外れのものがあがってきて、また一からやり直しといった無駄は避けられる。逆に、何のイメージもないまま「とにかく考えてこい」というような指示では、スタッフは暗中模索で何案も考えなければならない。しかも、膨大な作業をしたにも関わらず、そのほとんどが無駄になるのだから、これじゃ全体のスピードも上がらないし、スタッフのテンションだって落ちてしまう。
私は暇さえあればスケジュール帳を開いて、もっと効率よくやれる方法はないかと考えたり、数カ月先の予定をシミュレーションしたりしている。そのせいか、原稿の締切りを破ったことは一度もない。
仕事を遅くしている原因は忙しいからと、スケジュールに時間をかけずにすぐに取りかかるから。最初にゴールまでの最短距離を描かなければ、どんなに速く走っても、遠回りは免れない。とくに複数の仕事を抱えている場合は、どれだけ効率のいい組み合わせを考えられるかで、勝負が決まるといってもいい。