「自分の見たいものを作る」川村元気

――川村さんが作品をプロデュースする上で、これだけは大事にしたいという指針のようなものは何ですか?

“自分が見たいものを作る”ということです。自分が見たい映画を作っているし、読みたいストーリーを小説として書いている。ただ、考え始めると、これが結構難しいんです。

インターネットをはじめとして、これだけ面白いものが世の中にあふれている中で、どうすればわざわざ映画館や書店に行って、自分が作った映画や小説を選んでもらい、楽しんでもらえるのか。それをひたすら煎じ詰めて考えていくので、企画が固まるまでがすごく長いですね。そのプロセスのなかでようやく“自分が見たいもの“が観客や読者に面白いと思ってもらえるものになっていく。だから時間が掛かりますし、効率が悪いです(笑)。

――川村さんが受け手として、見たくなる、読みたくなるものの条件を教えてください。

いくつかありますが、一つはタイトルです。タイトルがフニャフニャしているものはダメだと思う。タイトルを決めてそれ相応の中身を作るパターンがあれば、内容からタイトルをひねり出すパターンもあるんだろうけど、どちらにしてもタイトルに魂があるような気がしています。

「億男」もすごく悩んで付けたタイトルでした。一つヒントになったのは、アメコミヒーロー映画でした。バットマンもスパイダーマンも人が羨む能力を手に入れているのに、力を手にした本人はあまりうれしそうじゃないし、苦悩している。お金もそうなのかなって思ったんですよ。お金はある種、人を特別にするのと同時に苦悩もさせる、超能力みたいなものなんじゃないかと思って、「億男」というタイトルにしました。

こういうタイトルを付けると、物語や文章もタイトルに引っ張られて固まっていきます。だからすごく大事にしていますね。

「セオリーG」ハロルド・ジェニーン

セオリーG
ビジネスはもちろん、他のどんなものでも、セオリーなんかで経営できるものでない。

セオリーX
人間はだれも必要以上に働くのが好きではなく働きたくもなく、また自分の職務を果たすのに絶対的必要な以上の責任をもたされたがらない。
それを前提に、軍隊のように、厳格な指揮系統を軸として構成され、どの階層の構成員も、何を、いつ、どのようにせよと言い渡される。
だれも直接の上司を飛び越して、上の上級者に直接話しかけることはできない。

セオリーY
人はどんな責任のレベルにあろうとも、内心では自己の最善の能力を発揮したいというのが前提。
自分の技量と生産性を高めたいと切望し、経営者は意思決定に従業員を参加させる平等主義的な経営。

セオリーZ
日本式、大企業は従業員に親のような愛情、終身雇用と安定の保証、始業前に歌を合唱、体操。
協調の気風、集団による意思決定。

いい話
・ビジネスの世界では、誰もが二通りの通過、金銭と経験、で報酬を支払われる。金銭は後回しにして、まず経験を取れ。

・経験とは反復的な仕事ではなく、新しいことを発見し、学び、能力の成長と蓄積をもたらすプロセスである。そのために出ていって、そういった種類の経験を意識的にさがし求めなくてはならない。手を伸ばしてつかみ取らなくてはならない。必要なら、あらん限りの知恵を絞って、何かより良いもの、なにか新奇なもの、従来の物事のやり方とはどここか違ったものを掴んでこなくてはならない。それが創造的経験というものだ。やることが創造的ならは、失敗すら経験という宝をひとつ増やしたことになる。

・物事を前にやったよりうまくやる方法を見つけようと試み、それは私を、あらゆる物事に対して熱意をもってのぞむようにさせてくれた。

・ビジネスで成功したかったら、自ら選んだにせよ、巡り合わせで身を置くようになったにせよ、自分が所属する場所で上位20%のグループに入る事が必要だ。