「will」が過剰な時代だからこそ「must」と「can」を磨こう

やりたいことは「意志」なので、英語でいうと「will」ですよね。

その下には「こういうことができます」という「can」、さらにその下には「これをしなければならない」という「must」があります。

人は「must」「can」「will」の順番で、成長していくと思うんです。

めちゃめちゃ強い「will」があるという人は、世の中のうちの5%くらい。

「やりたいことを見つけろ」と言ったところで、その5%が増えることはありません。

「will」がなかったら、まずは「can」を見つけましょう。

できること「can」を死ぬほどやった結果、周りに評価されたり、お金を稼げたりしたら、それがやりたいこと「will」になるかもしれません。

たとえば、日本代表くらいサッカーがうまかったら、めちゃめちゃお金が稼げるし、めちゃめちゃみんなに尊敬されますよね。

そしたら、そんなにサッカーが好きじゃなかったとしても、「俺サッカーでやっていこうかな。なんならワールドカップで優勝目指そうかな」と思うかもしれません。

それに、たとえ「will」に発展しなかったとしても、「can」が強くなるようめちゃめちゃ努力することで、人生は豊かになると思います。

だから「will」が見つからないなら、まずは「can」を探しましょう。

できること「can」がない場合は、その下のしなければならない「must」をやりましょう。

「会社でコピーをとらなきゃいけない」とか「飲み会で片付けしなきゃいけない」とか、仕事でもそれ以外でも、しなければならないことは絶対にあります。

だから、やりたいことも能力もなかったら、まずは「must」をやりまくる。

そうすると「can」ができるんです。

俺にも当然「must」をやりまくる時期がありました。

新卒で双葉社に入社したときの俺は、パソコンがまったく打てなかったんです。

アンダーバーの打ち方を何回聞いても覚えられなかったので、アンダーバーが入っているメールアドレスをコピペして、アンダーバー以外を消して、そのアンダーバーを大切に使っていました。

「アンダーバーの打ち方」をポストイットに書いて机の横に貼ったら、会社の人に「やばい」と言われていました。

でも、やらなきゃいけないから頑張ってやっていた。

そしたら、苦手だけどできるようになったんです。

パワポでの資料作成も、「40代以上の社員よりは箕輪のほうが上手いよね」と言われるレベルになって、アイデアをパワポに落とし込む仕事をいっぱい頼まれるようになりました。

これが「must」から「can」に変わった瞬間だと思うんです。

そうやっていくうちに、本を作りたいという「will」をやる機会に恵まれて、そこでめちゃくちゃ結果を出すことができたから、「もうお前は『will』で突っ走れ」と言われて、今があります。

西野さんとかホリエモンとか、僕みたいな、超強い「will」を持っている人を見て、「must」も「can」もまったくやっていない状態で、やりたいことばかり探す人が多い気がします。

超強い「will」があるならいいんだけど、それもないのに「will」を頑張ろうとしてもしょうがないんですよ。

ちなみに「will」には、「趣味will」と「プロwill」の2種類があります

「絵が好きなので、絵で仕事をしたいです」という人がいたとして、それが「プロwill」だったら、僕は激詰めしますね。

だって、絵で食っていける人が世界で何人いると思いますか?

あの村上隆ですら、いまだに睡眠時間3時間くらいで、毎日眠いと言いながら死ぬほど絵を描き続けてるんですよ。

「無名のお前は、それ以上努力してんの?」っていう。

「プロwill」を目指すなら、それくらいシビアな世界で戦わなきゃいけないんです。

そうやって「will」ばかり言って「must」も「can」もしない人たちがいるけれど、そういう人たちって「will」をいくらやっても、自分探しが永遠に終わらないと思います。

自分が今「must」「can」「will」のどこにいるかを意識して、何を磨いていくかを判断しましょう。

「must」や「can」は死ぬほど地味ですが、それを真面目にやっている人は「will」が過剰な時代だからこそ、めちゃくちゃ強くなると思うし、そこで身につけた力が「will」とかけ算されたときに爆発すると思いますよ。